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 リヒャルト・ワーグナー作曲
 「ニュルンベルクのマイスタージンガー」
 全3幕
 
 指揮  ズビン・メータ
 演出  トーマス・ラングホフ
 
 ハンス・ザックス−−−ヤン=ヘンドリク・ロータリング
 ファイト・ポーグナー−−−マッティ・サルミネン
 クンツ・フォーゲルゲザンク−−−ケネス・ロベリング
 コンラート・ナハティガル−−−クリスティアン・リーゲル
 ジクトゥス・ベックメッサー−−−アイケ・ヴィルム・シュルテ
 フリッツ・コートナー−−−トム・フォックス
 バルタザール・ツォルン−−−ウルリッヒ・レス
 ウルリッヒ・アイスリンガー−−−ヘルマン・シャペル
 アウグスティン・モーザー−−−フランチェスコ・ペトロッツィ
 ヘルマン・オルテル−−−スティーヴン・ヒュームズ
 ハンス・シュヴァルツ−−−アルフレッド・クーン
 ハンス・フォルツ−−−アンドレアス・コーン
 ヴァルター・フォン・シュトルツィング−−−ペーター・ザイフェルト
 ダーヴィッド−−−ケヴィン・コナーズ
 エヴァ−−−ペトラ=マリア・シュニッツァー
 マクダレーネ−−−グリット・グナウク
 夜番−−−ラインハルト・ドルン

バイエルン国立歌劇場管弦楽団/バイエルン国立歌劇場合唱団
/バイエルン国立歌劇場バレエ団
 

平成17年9月25日(日) PM1:00開演

神奈川県民ホール
 

Hanszackメモ

・楽器編成
ヴァイオリン26(左から1st、2ndの順です。)
(1st14,2nd12か?)
ヴィオラ10(右手前)
チェロ8(ヴィオラの奥)
コントラバス7(右奥横一線)

なお,ワーグナーの指定本数はなし。
 

木管,ホルン,ハープは左端
金管,打楽器は右端

中央,指揮者メータの正面にベックメッサーのリュート用小さいハープ,
至近距離にマイク設置,音が小さいのでPA装置使うのは,二期会と同
様でした。指揮台両側に上向きに細いマイクが2本,指揮者正面に小型
カメラ,多分,舞台裏のモニター用。
 
 

・楽器,楽譜など
今回は2階席なので,席からはオケピットの奥は見えるのですが,
1階で楽団員が集まるまでオケピットのぞいていると,席に帰れな
くなるので,苦労しました。第一幕開始前は,オーボエが前奏曲の
ソロ部分を練習していました。その他はvnUの奥の人(東洋人っ
ぽい女性)がいるだけでした。メータの総譜は,赤で書き込みがし
てありました。
 


 


1.第一幕

 バイエルン国立歌劇場のマイスタージンガーは,
同じ神奈川県民ホールで,17年前に見ています。
その時はサヴァリッシュ指揮で,ルネ・コロなど有
名歌手がヴァルターを歌ったりしていても,今回の
半額位だったと思います。6万円出して2階席かよ。
(TдT
でも,前回は合唱団が来てなくて,慶應大学ワグ
ネルソサイアティーだったような。今回は合唱団に
加えバレエ団も来ているのですね。日本における
ドイツ年ですし,リキ入っています。
 前奏曲は幕が閉まったままで演奏されました。
前日大音量でベルリン・ドイツ・オペラのDVD見
ていたせいか,高弦,低弦とも迫力感じませんで
した。神奈川県民ホールの2階席は,NHKホール
程ではありませんが,吸音材の奥のようなところで,
音も遠く感じます。前奏曲最後のティンパニは,甲
高い音でバンバン鳴って,低音はどこ行ったの?
ただし,トライアングルははっきり聞き取れました。
 幕が開くとカタリーナ教会の場面ですが,合唱は
奥のほうで弱々しく,慶應大学とあまり違いがあり
ませんでした。そのせいか,vcのソロはトゥッティ
の時よりはっきりくっきり聞こえました。でも,ここは
序の口,後で威力を発揮します。オルガンもピーと
言うなさけない音でした。
 演出は前回,NHKホールで同じメータ指揮バイエ
ルン国立歌劇場のトリスタンとイゾルデを見ていま
すが,ペーター・コンビチュニーという有名な指揮者
の息子の狂った演出見ていますので,何を見ても
驚きません。息子は音楽の才能が無いから演出家
になったのでしょうが,そちらの才能も?
 舞台装置は明るく,左奥から光が当たっていました。
奥の窓のようなものは,マイスター達のロッカーのよ
うなもで,名前と数字のようなものが書かれていて,
徒弟たちがコートをしまっていました。
 このページ作るのに,前回来日公演のトリスタン
書き直していて気づいたのですが,前回公演と同じ
メンバーはダーヴィッドのケヴィン・コナーズだけで,
トリスタンでは牧童を歌っていました。
 ポーグナーのサルミネンは,声のとおりが凄いです。
バスですが,倍音成分が豊かなのかもしれません。
そのポーグナーの登場場面で一瞬,寝てしまった私
は大馬鹿野郎ですね。(つд∩)
 ベックメッサーが記録係やるシーンでは,プロンプタ
ー装置の左半分が開いて中に入るようになっていまし
た。記録は黒板ではなく,プリンターでロール紙を打ち
出していました。でも,チョークでキュッキュッする音が
でました。こういう場面で,おばさんたちのくすくす笑い,
どうにかならないのですかね。

 
 
2.第2幕

 第2幕はなんといっても,ベックメッサーと
ザックスとのやりとりから,大げんかのシー
ンが見どころ聞きどころです。ベックメッサー
役のアイケ・ヴィルム・シュルテは,家で見て
いるベルリン・ドイツ・オペラのDVDと同じ配
役ですが,随分,お年をめしたような。でも,
歌,演技ともうまいです。カーテンコールで
は,大きな喝采を浴びていました。
 ところで,今回は2階席ということでオケピッ
ト奥の方が少し見えるのですが,ベックメッサ
ーのリュート用の小さいハープ弾く女性は,出
番直前にオケピットに入って終わると帰る,重
役出勤&退社なのですね。楽団員ではなく,
エキストラでしょうか。
 ザックス役のロータリングですが,あまり声の
通りがはかばかしくありません。まあ,サルミネ
ンがいなかったら十分聴けるのでしょうが,役
を逆にした方が良いのでは?
 メータの指揮ですが,大きな身振りでオケを
あおっていたのですが,大げんかのシーンでは
ゆっくり両手を上下に動かすだけで,超安全運
転というか,何もしていないように見えました。
この場面はスコアも複雑怪奇で,ちょっと間違
えたくらいでは聞き取れませんので,これで良い
のかも。
 それにしても,ベックメッサーが歌ってザックス
が靴を叩く場面で,おばさんたちのくすくす笑い,
どうにかならないのですかね。


3.第3幕

 長い第3幕ですが,途中でvn2の奥で弾
いていた女性が楽器と弓を持って,退場し,
数分して戻ってきました。弦が切れたけど,
予備の弦を持ってきてなかったのでしょうか?
去年,東京シティーフィルのローエングリン
見に行ったときは,コンマスの隣の人が2幕
途中で帰ったまま復帰しない事件がありまし
たが,こういうとき,弦楽器は大勢いるので
融通効きます。って,いなくても変わらない?
 プログラムによると,メータはこの幕のベッ
クメッサーがザックスの楽譜(歌詞?)を盗み
に来てばたばたする場面の音楽が,近代的で
すばらしいと言っていますが,半音階的でスケ
ルツォ的で,良い場面です。
 上の写真は五重唱の場面で,壁面に五人の
映像が上昇して行きました。
 

 歌合戦の場面では舞台上にトランペットと太
鼓が6台づつ上がりました。大盛り上がりのス
ペクタクルシーンなのですが,歌合戦と言いな
がら,,参加者たった2名,しかも,一人は証人
で正式参加者はベックメッサーただ一人とは
┐(゚〜゚)┌
 最後にテレビクルーが出てきて,コートナー?
がしっしって,退けていましたが,何の意味か
さっぱり分かりませんでした。
 ここでも,ベックメッサーの歌におばさんのくす
くす笑いが...
 それと関係ないですが,終了後のロービーで
テレビクルーが誰か外人にインタビューしてい
ました。有名人が来ていたのでしょうか?
 ホールではドイツ人?の女性がバイエルン国
立歌劇場のCDROMとシーズン案内などを配っ
ていました。上の写真は,一番上を除いてその
CDROMに入っていたもので,貰っといて良かっ
たです。写真がないとページにインパクトが...

4.音質

 今回は2階席のためか,全体的に冴えな
い音でした。オケは部分的に大きな音で,声
を遮り気味の面もありますが,声楽は倍音成
分が命,基音はオケに埋もれても高音部が
分離して聞こえてきます。それと,今回はオケ
ピット回りにフェルトが貼ってなかったのですが,
神奈川県民ホールはいつもこうだったか覚え
ていませんが,これが影響したのか?唯一,
気持ちよかったのは,弱音部での,cbのピチ
カート,ブンと響きました。
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 

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