コンサート報告
生の音は,どうなんだ
有料コンサート結果報告
 リヒャルト・ワーグナー
 「トリスタンとイゾルデ」
 全3幕
 
 指揮  ズビン・メータ
 演出  ペ−タ−・コンビチュニー
 
 トリスタン−−−ヴォルフガング・ミューラー=ローレンツ
 マルケ王−−−クルト・モル
 イゾルデ−−−ワルトラウト・マイヤー
 クルヴェナール−−−ベルント・ヴァイクル
 メロート−−−ステファン・グールド
 ブランゲーネ−−−ヴィオレッタ・ウルマーナ
 牧童−−−ケヴィン・コナーズ
 舵手−−−ハンス・ヴィルブリンク
 若い船乗り−−−ウルリッヒ・レス

バイエルン国立歌劇場管弦楽団/バイエルン国立歌劇場合唱団
 

平成13年9月30日(日) PM2:00開演

NHKホール
 

Hanszackメモ

・楽器編成
ヴァイオリン28?(分布が変形なので,数えるのに苦労しました。
プロンプト装置のでっぱりの前の,2席がちがっていたら26です。)
(1st16,2nd12か?)
ヴィオラ12
チェロ8
コントラバス6(大型楽器は,休憩時間もおきっぱなしなので,数
えやすいです。)

なお,ワーグナーの指定本数はなし。
「特に熟練して,多数であること」,です。

木管,ホルン,ハープは左端
金管,打楽器は右端
 

・楽器,楽譜など
コンマスの楽器は,それほど古く無い感じでした。
弱音器を付けて,練習してました。楽譜は,印刷されたもので,
書き込みをして,色も変色した,使い込んだものでした。
「トリスタンとイゾルデ」は2回目で,前回は,統一直後の旧東
ドイツ系の,ベルリン国立歌劇場で,楽譜は手書きでした。
 


 


1.パンフレット表紙

 NHKホールは,いつもいい席が取れません。
今回は3階,左でした。でも,前回の2階席より
ましです。前方,上方が開けていました。2階席
は最悪です。無響室にある,深い吸音材の奥み
たいです。低音は出ない,高音もすかすかです。

 
 
2.第1幕,第2幕

 最近のワーグナー演出は,何が起きても
驚きません。視覚と聴覚とのギャップを楽し
む状況に,なっています。第1幕は,豪華
客船のデッキで,サマーベッドにくつろぐブ
ランゲーネと,不安なイゾルデといった感じ
です。若い船乗りが,ウェイターとして,トロ
ピカルドリンクを,サービスしていました。
 また,舞台の中に,4:3の小さい画面を作
ったような,舞台で,前方下に降りる階段が
ありました。
 第2幕では,マルケ王のクルト・モルが大
人気で,カーテンコールは熱狂的拍手で,
盛り上がっていました。今何歳なんだ。30年
前から,バイロイトで歌っていたような記憶が
あります。でも,声は太かった。


3.第3幕

 プロジェクターで,壁にセピア色の画像を
写していました。第1場の,トリスタンの回
想場面では,舞台前面の,一段下に左右
から,左女性,右男性のイングリッシュ・ホ
ルン奏者がでてきました。音が大きくなった
ので,気がつきました。
 最後の,イゾルデの愛の死では,トリスタ
ンとイゾルデが,舞台前面の一段下に降り,
幕は閉めましたが,最後の一瞬,開くと,二
人分の棺桶のようなものが,見えました。
 

4.音質

 音は,弦楽器は弱音部では,美しいので
すが,強奏では,歪みっぽくなります。金管
などが加わった総奏では,各種楽器や,声
楽の倍音が混変調したような,ハイ上がり
のきつい音になります。ティンパニの弱音,
トレモロは,良く聞こえませんが,強打では,
すごい音圧がでます。木管,ホルンの音圧
感が,心地よいです。この辺が,オーディオ
チェックポイントかと,思います。

 帰りに,タワーレコードで,CD,DVDを物
色しました。夜遅いので,翌日,DVDで音
質チェック,同じNHKホールで,1993年に
収録された,ベルリン・ドイツ・オペラの「トリ
スタンとイゾルデ」を聞く。音量を,生に近い
位,上げると,オーケストラは,昨日の記憶
に近い音になりますが,声楽は音像,音量
とも,巨大すぎました。生では,距離が遠い
事もあって,声楽の音像は非常に小さく,ピ
ンポイントに近いです。

5.収穫

 タワーレコードでディスクを買った以外に,
音量が,オデーィオ再生で,非常に重要な
こと,弦楽は強奏ではそれほど美しい音で
はないこと,声楽は,音像が肥大化しやす
く,オーケストラより再生が難しいこと,など
がわかりました。
 音量を,生に近いくらい上げるためには,
低音のボンつき,高音のギラつきを取ること,
総奏で,ご近所迷惑にならないよう,瞬時に
ボリュームが絞れること,などが重要と思い
ます。
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 

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