2005年9月号
定価1250円(本体1190円)
音楽の友,ステレオなどでおなじみの, (株)音楽之友社発行
今月号の付録CDの概要は,以下のとおりです。
35曲収録,68分54秒
販売会社内訳は,
・ワーナー・ミュージック・ジャパン 3曲 ・ソニーミュージックジャパンインターナショナル 1曲 ・東芝EMI 3曲 ・コロムビアミュージックエンタテインメント 3曲 ・ユニバーサル ミュージック/ドイツ・グラモフォン, デッカ,フィリップス 9曲 ・エイベックス・クラシックス 1曲 ・オクタヴィア・レコード 6曲 ・BMGファンハウス 5曲 ・カメラータ・トウキョウ 2曲 ・ビクターエンタテインメント 1曲 ・アイヴィ 1曲
です。録音方式内訳は,
デジタル録音27曲, ステレオ(アナログマスター)8曲, モノラル(当然,同上?)0曲
という,威容を誇っています。
なお,最長3分03秒はトラック5、6、7のラトル・ベルリンフィルの牧 神の午後への前奏曲、アンデルシェフスキ(p)のシマノフスキ:シェヘ ラザード、ビリャン(T)ほかのドニゼッティ:愛の妙薬です。
今月の感想 今回も大分遅いうpとなりました。 いきなりバレンボイム御大の平均律第2巻から始まったレコ芸9月号 特別付録、一体どうなるかと心配しましたが、以外に?(失礼)演奏、 音質とも良好でした。先月はレコ芸のリマスター技術が上がったと思い ましたが、今月は普通に戻ったような(;´Д`) ピアノ独奏はあいかわらず12曲と多いです。 作曲家では、モーツァルトが5曲と最多です。
今月のHanszackの推薦
トラック11 ラモー:アクト・ド・バレ《オシリスの誕生》〜優雅なエール 冒頭 (「ラモー/シンフォニー・イマジネール」より」) マルク・ミンコフスキ指揮ルーヴル宮音楽隊 <録音:2003年6月>[Ar D UCCA1050]
古楽器奏者のバッハが大嫌いな小生ですが、これは リアルな音場感が良いです。曲想もバッハのマタイに似 ており(もちろんラモーのほうが先※)、心にしみるような音 楽です。暗騒音をカットしていないようで、16〜32Hzあ たりがふわふわと出るのが効いているのか?
※10月17日追加 ラモーはバッハより2才年上で,バッハより長生きして17 89年の大革命でルイ16世らと共に断頭台で亡くなった, バッハとほとんど同世代の作曲家でした。スマソ
レコード芸術の録音評90、93点by神崎氏 「アコースティック感覚溢れるオーケストラ・サウンドと、いきいき した演奏の姿とが見事に均衡した収録である。2003年6月のポ ワシー劇場における演奏会のライヴ録音で(以下略」
だそうです。
ライヴって書いてませんが、どっちなのでしょう?
今月の???な録音
トラック16 ブラームス:間奏曲Op.117-1 冒頭 クリフォード・カーゾン(p) <録音:1962年12月>[Dec S UCCD3432]
60年代のデッカ録音にしては、寂しい音です。マスターテー プが劣化したのか、マイクが近すぎなのかも知れません。この 音で余り有名でない(失礼)ピアニストのCD出す意味って┐(゚〜゚)┌
レコード芸術の録音評87点
今月のその他諸々
トラック1 バレンボイムのバッハ:平均律クラヴィーア曲集第2巻から第1番プレリュー ドですが、残響が多いのに明瞭という、優秀録音です。
トラック3 ハンプソン(Br)アルノンクールのコジ・ファン・トゥッテですが、低弦の深み、 声の明瞭さ、金管の輝きとも良好です。
トラック8〜10 ノイマン・チェコフィルの1979年アナログ録音のマーラー:巨人の新旧リマスター で、トラック8が旧マスターの第4楽章冒頭、トラック9が新リマスターの第4楽章 冒頭、トラック10が無記名(新リマスター?)の第1楽章冒頭ですが、旧マスター の方がやや荒れ気味とはいえ、高域の輝きがあり、迫力あリます。新リマスター はハイ落ちの角のまるまった、元気のない音に感じました。ノイズリダクションの し過ぎ?
トラック23 小林美恵(vn)ほかのサラサーテ:カルメン幻想曲ですが、G、D線あたりが 鼻をつまんだような独特な音で、生音に近いかと思います。音像が動くので マイクはかなり近めだと思いますが、微弱なホールトーンも入っています。 先日、千住真理子がストラディバリ・デュランティをテレビで見せびらかせて いましたが、骨に気をつけているそうです。ヴァイオリンの裏板の振動を、鎖 骨を通して、ヒールのかかとから床を振動させるのだそうです。だから、肩当 てを使わず、立ち位置も梁の中間の、足で踏み鳴らしてカンカン良くなる位置 に立つそうです。ハイヒールもかかとが尖ったものは音を伝えないので、太い ものを愛用しているそうです。オーディオのスパイクとは逆のことをやっている のです。vnの音源は小さいと思ったら大間違いです。人間のからだ、床まで 音源になり、さらにホールの壁の複雑な反射、客席の吸収などを含めてアコ ースティックなvnの音になるのです。ですから、オンマイクのマルチモノ録音 の意味がないことがわかります。それにしても、千住真理子さんって、オーオ タ並みのこりようで、びっくりしました。 小生もvnはちょっと弾きますが、楽器と左耳との距離が数cmでは、良い音 するわけありません。また、ハンカチをはさむ人がいますが、かなり音が吸収 されます。顎と肩で強く押さえても、同じです。録音技術者に(と押し葉?)聴か せてやりたい話でした。
トラック24〜26 コンバッティメント(長いので以下略)のファッシュの作品ですが、残響、音像と も良好で、これを今月の推薦にしても良いくらいでした。
トラック27〜30 今月も登場のホルショフスキ(p)の1987年のライヴですが、風呂の中のような 残響最大で、しかも透明感のある優秀録音です。
トラック32 シュルツ(fl)吉野直子(hp)のサン=サーンス:ロマンスですが、渋めのフルート の音色が良いです。ハープは16Hzあたりの超低音が入っています。3年位前に もレコ芸付録の安楽真理子のハープで、同じようなことがありましたが(正規盤 はカットしていました…(´д⊂)、多分、ハープの音が小さいので、マイクを極限 まで近づけた結果、演奏ノイズのような超低音が入りやすいのではないでしょう か?楽器に限らず音源の直近では、超低音というか、風圧が出ているものです。 耳のすぐそばで指パッチンやってみるとわかります。
トラック35 スケヴィントン(org)ほかのラインベルガー:オルガン協奏曲第1番ですが、ペダ ル全開!スペアナの16Hz〜64Hzまでが振り切れるようです。
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