コンサート報告
生の音は,どうなんだ
有料コンサート結果報告
 
 

ベルナルド・ハイティンク指揮
ドレスデン国立歌劇場管弦楽団
2004年日本公演

5月21日(日)Bプロに,行きました。

随分遅いアップとなりました。BGMを何にするか,
迷っているうちに(←言い訳苦しい?)
 
 

 ブルックナー:交響曲第8番 ハ短調
 
 

平成16年5月21日(金) 18:00開演

サントリーホール大ホール
 

Hanszackメモ

・楽器配置など
左からvn1×16? vn2×?
中央にチェロ×?
右手前にヴィオラ×?
右奥にコントラバス5弦×8?

木管は中央弦の後ろ横一列,
ハープ×2は左奥,
木管の後ろに金管群,左側にホルン×9内4本はワーグナーチューバ
持ち替え
打楽器は中央奥
 
 

・その他諸々
 サントリーホール入り口前に行列が出来ていました。30分前になら
ないと中に入れません。からくり時計のようなものが鳴りだして,入場
です。酒屋さんが作ったホールですので,ちっちゃいカウンターでワイ
ン等が飲めるようですが,もっとゆとりある建築はできないのでしょうか。
 開演前は楽団員は舞台上にいませんでした。楽屋で練習しているの
でしょう。プログラムによると,東洋人としては始めて日本人女性がvn
でメンバーに合格したようですが,今回は凱旋?帰国していたのでしょ
うか?よくわかりませんでした。…(´д⊂

 


 
 

1.ブルックナー:交響曲第8番 ハ短調(ハース版)

 1階7列5番,左寄りですが,まあまあの席で
した。サントリーホールは初めてで,ドレスデン
国立歌劇場管弦楽団(昔のレコードはこの名前
でしたが,歌劇場はドイツ統一後,ゼンパー
オーパーに名称変更したりして,現在はドレスデン
シュターツカペレが正式名称なのでしょうか?
以後,プログラムの表記 Sa"chsische Staatskapalle
Dresden 略してSSDに統一します。)も生で聞く
のは初めてです。2001年7月サントリーホールで
演奏した朝比奈大フィルのブル8のDVD−V,
CD及び1994年ルカ教会で録音したシノ-ポリ指
揮SSDのブル8のCDを聞いて,予習して来まし
た。SSDはいぶし銀の音とか言われていますが,
オケの音か,ルカ教会の音か,マイクを含めた
シャルプラッテンの録音の音か,この耳で確か
めようと思いますが,SSDのサントリーホール
での録音は持っていないので(もともと無い?)
オケの音か,ホールの音か判断が難しいところ
です。
 開演前は舞台は空で,直前に順次登場,オー
ボエがAの音を出しました。渋い音色,440Hzか?
(小生は絶対音感ありません(ーεー)ボソッ)。
 しばらくして,ハイティンク氏が登場。
ホルンと弦のトレモロと共に開始,開始して5分
もしないうちに,vn1の最後部手前の奏者の弦
が切れたようで,もそもそと弦を取り替えながら
譜面めくりの役(普通は左側の人がやる)をして
いました。かわいそうでした。しかし,無事に途中
から復帰。
 ハイティンク氏は譜面を見ながら指揮していま
す。遅めのインテンポで,身振りも楽器の最初の
キューは大きめで,その後はひかえめな動きです。
SSDの音ですが,弦も管も1つの楽器が突出して
聞こえることはなく,全体が1つの楽器のようでし
た。また,32分音符の弦のトレモロですが,全員
のボーイングがそろって,集団????のようです
(←おげふぃん)。腱鞘炎にならないのでしょうか?
こんな曲書いたブルックナーがアホなのか?どうせ
聞こえないので手を抜く,といったことがない生真面
目さです。
 ブルックナーの交響曲は,木管やホルンなどがソ
ロで活躍するのですが,弱めの音量で,押さえて吹
いているのでしょうか,ホールや座席の特性なのか
わかりませんが,弦もきつく響くことがありませんで
した。また,ブルックナー休止ですが,残響が消える
まで次の音は出しませんでした。
 座席がハープに近かったせいもありますが,低音
が随分きこえました。そのかわり,コントラバスが遠
かったせいか,あまり迫力ある低音は感じませんで
した。ティンパニは総奏ではどろどろと良く聞き取れ
ませんでしたが,ソロのピアニッシモでは,トントンと
衝撃波のように響きます。
 第3楽章でvn1がソロで弾いているとばっかり思っ
ていましたが,3人で弾く箇所がほとんどです。帰っ
て楽譜を見ると,そう書いてありました。
 サントリーホールは音が良いと評判ですが,残響
が長めです。高音はきれいですが,低音はそれほど
でもないです。席が左だったため,左上の壁からvn
などの音が反射しているようです。
 第4楽章が終了すると,残響が終わらないうちに
ブラボー野郎が出現しました。まあ,曲が終わって
いるから,よしとしましょう。
 拍手にこたえてハイティンク氏,何度も登場,最後
はスコアを抱いて持ち帰って終了,アンコール無し。
 

2.全般

 やはり,SSDの音は家で聞いているCDなどの音と
同じ特色がありました。ホルンなど控えめで物足りな
いと思うこともありますが,奏者が意識して押さえてい
るのでしょう。また,各奏者が他者の音をきっちり聞
いてアンサンブルを合わせているようにも感じました。
ヤノフスキのラインの黄金で,前奏曲のテンポめちゃ
くちゃ早く,これについてくるSSDの弦楽器奏者は尋
常じゃないです。まあ,ワーグナーに関しては,ベーム
のヤノフスキ以上の狂ったテンポに付いてくるバイロイ
ト祝祭管はクレージーですが。
 小生はワーグナーやブルックナーが好きなため,自
然とウィーン・フィルやベルリン・フィルのCD等がたまっ
て来ますが,それらとはかなり違った渋い音色で,SS
Dは魅力的です。ウィーン・フィルなど,個人の力量は
すごいのでしょうが,アンサンブルは平気で乱れます。
また,ブルックナーの演奏を拒否していた時代もありま
した。SSDは,旧東ドイツという環境で,古きドレスデン
の伝統が守られたのではないでしょうか?
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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