コンサート報告
生の音は,どうなんだ
有料コンサート結果報告
 
バレンボイム

 リヒャルト・ワーグナー
 「トリスタンとイゾルデ」
 全3幕
 
 指揮  ダニエル・バレンボイム
 演出  ハリー・グプファー
 美術  ハンス・シャヴァノフ
 衣装  ブキ・シフ
 照明  フランツ・ペ−ター・ダヴィッド
 合唱指揮 エバハルト・フリードリッヒ

 トリスタン−−−クリスティアン・フランツ
 マルケ王−−−ルネ・パペ
 イゾルデ−−−ワルトラウト・マイヤー
 クルヴェナル−−−ロマン・トレケル
 メロート−−−ライナー・ゴールドベルク
 ブランゲーネ−−−ミシェル・デ・ヤング
 牧童−−−フロリアン・ホフマン
 舵手−−−アルットゥ・カターヤ
 船乗り−−−パヴォル・ブレスリク

ベルリン・シュターツ・カペレ/ベルリン国立歌劇場合唱団
 

2007年10月8日(月・祝) PM3:00開演

神奈川県民ホール

トリスタン
Hanszackメモ

・楽器編成
 左手前に(通常1st vnの位置)ヴィオラ12,その奥にチェロ10,
左端にコントラバス8,左奥に1st vn,右手前に(通常ヴィオラの位置)
2nd vnその右に木管,金管,打楽器,ハープ2です。
 最初は,1st vn右,2nd左のバイロイト配置か!!!
と興奮しましたが,違ったようです。チューニングのとき,コンマスが立ち
ますが,指揮台より少し左でした。vnT+Uで15プルトなので,T×16
U×14か?
 木管では,活躍するイングリッシュホルンが手前です。
なお,ワーグナーの指定本数はなし。
「特に熟練して,多数であること」,です。
 指揮者正面にカメラ,プロンプト装置は無し,マイクは手前壁側に小型
のものを上向きに4本設置。
 

・楽譜など
楽譜は,印刷されたものでした。前回,統一直後の旧東ドイツ時代を引き
継いでいる?ベルリン国立歌劇場来日公演を見ておりますが,その時は
楽譜は手書きでした。
 
 
 

プログラム
0.プログラム表紙

 1階席奥の左寄りでした。これでもS席です。
全開のバイエルン国立歌劇場の2回よりは
良いですが。

 

トリスタン第1幕
1.第1幕

 前奏曲はvcの弱音から始まりますが,
今回は弦楽器,特にvnTが美しく感じまし
た。奥の壁に沿っていますので,反射が
効いているのかと。それに比べ,木管が
やけに粗雑で,コントラバスやティンパニ
などの低音もぱっとしませんでした。耳が
衰えたのか,家のオーディオが進化した
のか,家の音に慣れてしまったのか,そ
れらの合併症を発病したのかと。今まで
生を聴くと,感動したものですが,それが
なくなってしまいました。(~ヘ~;)ウーン
 
 幕が開くと,墜落したペガサスの残骸の
ような変な物体が中央にあり,これが回
転して,全幕全場通して使いまわしです。
ちょっと手抜きすぎ,グプファーちゃん。
(ーεー)ボソッ

 船乗りやクルヴェナールはこの変な物
体の,ずいぶん高い所で歌わされていま
すが,足場は大丈夫なのか,足元がしっ
かりしないところで歌唱に影響は出ない
のか心配になります。演出家って音楽の
ことなど2の次3の次だと理解しました。

 薬を飲んで,船が到着して第1幕は終わり。

トリスタン2幕
 2.第2幕

 第2幕では,事故?が起きてしまいました。
小生の前の列左3つ目くらいの老人の方が,
わめきだし,音楽どころではなくなってしまい
ました。マルケ王のモノローグが長く続く,静
寂な場面で,歌ったり奇声を発したりしてい
ました。しかし,音楽は中断することもなく,
普通に終了しました。やっぱりプロ?どんな
ことにも動じません。2幕終了後,かの方は
両脇を抱えられて退場。

トリスタン3幕
3.第3幕

 第3幕開始前,

「第2幕終わりに奇声を発した人がいたが,
病気の方で,2幕終了後帰宅された。主催
者としてお詫びします。」

との放送がありました。お金少し返してくれる
のかと期待しましたが,お詫びだけでした。
…(´д⊂

しかも,なかな開か始しません。バレンボイム
(ひょっとしたらワルトラウト・マイヤー)が怒っ
て,帰ってしまったのかと心配していたなか,
舞台上,幕の裏で,出演者が発声練習して,
観客に笑いが起きました。「今のは本職だ。」
とのジョークを言っている人がいました。
 少々遅れ気味で無事,第3幕開始。実は第
2幕でイングリッシュホルンが危なっかしかっ
たので,心配しましたが,第3幕の長丁場,見
事に吹き切り,安心しました。最後のイゾルデ
の愛の死は,オケが大音量を出す場面があり,
どう見ても(聞いても?)観客席に歌手の声を
届かせるには音量的に無理がありますが,一
瞬なのと,視覚効果でOKなのかと。目を閉じ
て聴くと,歌手の声が埋没する部分は,この他
にも多数あります。
 DVDやCDは歌手の声が聞こえない場面は
ありませんが,一瞬でも聞こえない場面があれ
ば,不良品として返品になってしまうでしょうか
ら,あのバランスで仕方ないのでしょう。ワーグ
ナーの楽劇のオーケストラ部分が大好きな小
生には,不満がありますが。
 

4.音質

 音は,高弦の弱音部が美しかったのが
唯一の収穫です。木管が平板的で,独特
の音圧感が感じられませんでした。まさか,
マイクのスイッチを切りわすれて,PA装置
から音が出て,濁らせていた,なんてこと
は無いと思いますが。
 低弦,ティンパニなどの低音も,迫力不足
に感じました。家の音が,ローブースト気味
になっているのに,慣れてしまったのかも知
れません。9月にアンプを変えていますし。
LUXMANの一番安いプリメインですが。
(ーεー)ボソッ

 ただ,声楽の音像が小さいのは,家で聞
いているCD,DVDとは大違いで,特にDVD
の声楽がこもるのに悩まされています。DVD
の場合,ビジュアルを重視しなければならず,
ワイヤレスマイクを髪の毛や髭に隠してセッ
ティングしている,と言うようなことを,レコ芸
で読みました。オーディオマニアが聞いたら
ぞっとする代物を買わされている?(←勝手
に買っているくせに(ーεー)ボソッ)

 オケは,高弦の弱音以外冴えないと書きま
したが,DVDのオケの音は,音量が違う以外
は,意外と生に近いと思いました。天吊マイク
で録っているので,自然な音になるのでしょう
か。
 
 
 
 
 
 

オーディオトップもどる